細川ファミリー歯科クリニック

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院長日記


感染対策と医療廃棄物について

医療器具の滅菌、使い捨てにできるものは使い捨ての物への変更、また、医療用手袋の患者様毎の交換など、医療現場では以前から当たり前のこととして新型コロナウイルスのパンデミックの以前から、感染対策は徹底しておりました。感染対策を徹底すればするほど、医療廃棄物は増えます。これは安全のため仕方のないことなのですが、一方で、SDGsなど地球への負荷を減らす取り組みが求められる中、医療はその流れに逆行しなければならないという矛盾を抱えています。

我々の医療法人でも、なにか環境対策に取り込めないかと考えておりました。歯科にできる環境対策の一つがデジタル化を加速させることだと思います。

歯科治療の一つでは、虫歯を取り除き、粘土で型取りを行い、歯形の石膏模型を作り、その模型をもとに歯科技工所で被せ物を作ります。この工程中で、粘土と石膏模型という医療廃棄物が発生してしまうのですが、この工程をデジタル化することで、粘土と石膏模型をなくすことが出来ます。手袋、マスク、手洗いの後のペーパータオルを減らすことは現時点では不可能だと思われますが、粘土と石膏を減らせることは、直ぐに歯科が行える環境対策だと考えています。当院では、上記への対策として口腔内スキャナー Trios4という最新鋭の機械を導入しました。これによって、医療廃棄物の削減が行えるだけでなく、粘土のよる型取りという苦痛から患者様も解放されます。

 残念ながら、現在、保健診療では粘土(印象材)を使う方法しか認められていないため、自費診療でしか使用はできません。被せ物を治したいとお考えがあり、さらに型取りの苦痛から解放されたい方、もしくは、少しでも環境対策に貢献したいとお考えの方は当院までお問い合わせ下さい。

 世界の歯科医療において、デジタル化は加速の一途を辿っています。アメリカやヨーロッパでは日本で使用されている粘土(印象材)が教育現場から姿を消していると伝え聞きます。実際、品質が良く愛用していたメーカーは、アメリカ本国からの指示で日本国内の製造工場を閉鎖してしまいました。有効期限が3年のため、3年分は確保しましたが、その在庫がなくなるまでの間に、日本の保険診療にもデジタル化の波がやってくることを切に願っています。