細川ファミリー歯科クリニック

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院長日記


ハイチでの医療活動

 前回に続いて、ハイチ共和国での医療ボランティアから学んだことを書きます

 これまでもむし歯予防のためには、砂糖の摂取量を上手にコントロールする必要があると述べてきました。現代の日本では両親が頑張っても、中々難しいことであることは自分の子供達を見ていて思います。

 さて、では元々砂糖の少ない国ではむし歯は少ないのでしょうか。WHOの統計でも経済の指標とう蝕の罹患率には関連を示すデーターがあります。

 では、ハイチ共和国はどうであったかというと、震災前はむし歯の少ない国の一つでした。ところが、震災後むし歯が増加に転じたのでは?と私の実感としては思います。

 その一因の一つに、医療援助は関係があると思っています。もちろん、生命の危機がある訳で以下の行為が否定される訳ではありませんが、同時に虫歯予防もしなくてはと思ったというお話です。

 災害現場では、日持ちのする食材、調理がいらない食材、糖分を多く含んだチョコレートやキャンディーをボランティアチームは持っていくことになります。

 私のチームには小児科医がおり、私がむし歯の治療や予防処置を行っている隣でチョコレートを配っていて子供達が大喜び、なんてのはいつもでした。

 栄養の観点からはそのようなことが必要な時期があると思います。ただ、それがいつまでも続いてしまうことや、子供達がそのことに慣れてしまい当たり前になること、このことがボランティアがいなくなった後の問題になるのではと、よるご飯を食べながらチームで話し合いました。

 帰国の日の朝に現地の小学校で歯を磨くことの話しをさせて頂く機会を頂きました。ただ、この一回で何が変わるのか、悩みながらの帰国であったのは今でも覚えています。

 現代の日本は忙しく、歯科に行かない為の理由が多くあると思います。でも、こんなにも歯科に通いやすい国は他にないと思います。ご家族で歯科との関わりを再度見直してみてください。